CRIMSON Vol.26 |
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白夜・・・・っ!??
「なっ・・・何をっ!?・・・・・・・・・
ちょ、ちょっとっ・・・待ってよっ・・・・・・・・」
突然のくちづけに慌てた紅月はとっさに身を捩りベッドから起き上がろうとしたが、瞬時に白夜に状態を
引っくり返されて、急激に広がった暗雲のように不安な気持ちに戸惑った。
自分よりも上背もある、体格の立派な彼にはどうしたって敵う筈も無く。
紅月はベッドの上に仰向けにさせられて、身動きも儘ならない程に押さえつけられると、
掴みあげられた手首の痛みに不安な気持ちが急加速し、酔いで真っ赤に熟れていた頬は次第に
蒼白となっていった。
「びゃ、白夜・・・・・・?
な、なあ・・・・何の冗談だよ・・・・?ね、お前・・・・ちょっとどけて・・・・重いんだ・・・・」
無意識に、機嫌をとるかのようにわざと明るくそう言ったけれど。
だが白夜の視線は射るように自身を見詰めてくるだけで何一つ状態が変わってくれることは無い。
戸惑う紅月の不安を煽るかのように白夜の顔がそっと近付いて・・・・
「なっ・・・・・・!!???
ちょっとっ・・・やめろっ・・・・・・白夜っ・・・・・」
押さえ込まれ、身動きも出来ないままに再び重ねられた熱い唇の感覚に、紅月の焦りは最高潮に
達していた。
「嫌だっ・・・・・
放せよっ・・・・やめろ白夜っ・・・・・怒るぞっ・・・・・」
だがそんな言葉など目の前の男にとっては何の威力も無さそうで、それどころかガッっと頬を
掴まれると、よりがっしりと押さえ込まれて有無を言わさずくちづけを強いられた。
「・・・・っ・・んっ・・・・・・・・」
なっ・・・どうして・・・・白夜っ・・・・
何で急にこんなこと・・・・っ・・・・・
嫌だ、こんな・・・・・こんなこと他の誰かとしたくなんかないっ・・・・・僕は紫月が・・・・
「あっ・・・・・い・・や・・・・嫌だっ・・・・・やだっ・・・・・」
助けてっ紫月・・・っ・・・・紫月・・・・・っーっ・・・・・・!
そうして惨い程強引に塞ぎ込まれた唇からようやくと熱が離れたその先には、当然の如く
淫らな抱擁が待ち構えていて・・・・・
目の前の男の唇が頬を撫で、首筋を伝い、羽織っていた衣服をこじ開けて肩先へと移動する。
腕を伝い、再び鎖骨へと戻り・・・・
胸元の花びらに触れた瞬間に、天地が引き裂かれんばかりの叫び声が木魂した。
「嫌ああぁっっ・・・・・
やだっ、やだっ・・・・やめてっ・・・・・
やめろっ白夜っ・・・・・あっちへ行けよっー・・・・・!」
ガリガリと爪を立て、目の前の男を引っ掻いてみたけれど、そんなことをしたとて抵抗のひとかけらにも
なり得はしなかった。
逆に暴れれば暴れる程、男の力は強くなり、拘束されたすべてが更に固まり身動きひとつ出来なく
なるようで、叫ぶ声はかれつくし、ひりひりと喉が痛み出す。押さえつけられた手首は血の流れさえも
止まるのではないかと思う程にきつく痛みを伴っていった。
全身でもがいて体力が消耗し、力が奪われ尽くす頃、しつこい程に男の舌先に弄ばれて
紅月の胸元の花びらは固く尖り、真っ赤に腫れていた。
「嫌・・・・・・・やだ・・・・・・・や・・・・っ・・・・」
夢遊し発せられる言葉は”嫌”とだけ。
掠れた喉が悲痛さを物語り・・・・
だがそんな紅月を更に追い込むかのように男は彼の身に着けていたすべて、つまり衣服を引き剥がすと
不本意にも弄られて本能のままに反応した熱き男根を奪い取った。
「やっ・・・・あああーっ・・・・・・・!」
「やめてっ白夜っ・・・ふざけてるとっ・・・・クビにするぞっ・・・・!」
必死さの行く末にふいをついて出た言葉、「お前をクビ(免職)にするぞ」というひと言が
目の前の男の冷徹さを引き摺り出して・・・・
「クビですか? ふふ、、、紅月さま、、、、
別に、、、私は構いませんよ。本当にそうお望みならどうぞお気の済むようになさって下さい。
けれど、、、、
けれど”これは”あなたが望まれたことですよ?」
「なっ・・・に言ってっ・・・・・僕はそんなことひと言も言ってなんかないっ・・・・」
「いいえ、おっしゃいましたよ。」
「い・・・いい加減にしないかっ・・・・何をっ・・・・」
「一緒に居て、って、、、、側に居てっておっしゃった、、、、
あなたのことを嫌いじゃないのなら、とまでも言ったでしょう?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・っ」
「権力を傘にきた方々が使う最も卑劣な言葉、、、、
そんなものを使ってまでも私から逃れたいのならばどうして縋ったりしたんです?
結局はこうして欲しかっただけなのでしょう?人のぬくもりが恋しくて、肌の温かさが欲しくって、
誰かに抱かれたくって、、、、仕方ないのでしょう?
相手なんか、、、誰だっていいんだ。たまたま側にいたのが私だったから、あなたは気紛れで
縋ってみただけ。違いますか?」
だから・・・・
「だから、、、、望み通りにしてやるよ、、、、」
「なっ・・・・・・」
普段からは想像もつかないような低い声と共に乱暴な言葉が地を這って、既に蒼白になった顔を
持ち上げればそこには自身を見下ろす獣のような瞳がギラギラとたぎっていた。
「やっ・・・・やめろっ・・・白夜っ・・・・嫌だ・・・・・い・・や・・・・・・・・」
ああ・・・・・っ・・・・・・・・・誰か・・・紫月・・・助けて紫月・・・・助けて・・・っ
嫌あああぁぁぁぁっ・・・・・・!!!!
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