CRIMSON Vol.17 |
|
そう聞いた瞬間に紅月はぐいと下着に手を掛けるとその下で張り詰めていた紫月の熱いモノを露にし、
剥き出しにされた羞恥の感情を呑み込むかのようにぱっくりと口中に含んだ。
「ひっ・・・ぁああっ・・・・」
根元から先端へと唾液を絡めて舐め上げて、ほんのちょっと掌で握り込んだ瞬間に紫月は開放へと
導かれ、辺りには乳白色の液が飛び散った。
「・・っ・・・・あぁぁああっ・・・ああっ・・・・・・」
荒い吐息は治まらず大きく肩を揺らしながら青真珠のような肌には玉のような汗がびっしょりと
冷たく纏わり付いていた。
「いっちゃったね紫月、、、、どう、、?気持ちよかったか、、、?」
「・・・・・・・・・・・・紅っ・・・・」
その瞬間に大きな瞳いっぱいに潤んでいた涙が溢れ出した。
「・・・・っう・・っ・・・・・何で・・・・何でこん・・な・・・・・」
「お前を愛してるから、、、お前に、、思い出して欲しいから、、、俺たちの幸せだった日々を、、、
思い出して紫月、、、、」
「紅・・・・・・」
溢れ出る涙は止まらずに只ひたすらに紫月は泣き続けるしかなかった。まるでそうすることで
すべての苦しい記憶から逃れたいとでもいうように。無理矢理に欲望を引き摺り出されて弄ばれて
そして開放させられて、望まない至福の瞬間を迎えさせられて、だが紅月の指先は留まるどころか
その先の敷かれし道筋へと伸ばされていった。
紫月の開放した乳白色の液体を指先に絡め取りながら繁みの奥深くへと探り進入する。
そんなことをされれば散々に じらされて欲望の頂点にあった紫月の身体はひとたまりもなかった。
「・・・・・・・・・・・・・っ・・・は・・」
「やだ・・・紅っ・・・・・ぁあっ・・・・」
けれども発せられる言葉とは裏腹に身体は次なる至福を求めて歯止めがきくどころではなかった。
紅月の細い指先に促されるまますっぽりとそれを呑み込み、到達の瞬間が待ちきれないでいる。
逆らいたい神経と呑み込まれたい欲望とが交叉して、紫月は次第にその重さに耐え切れない程に
追い詰められていった。
嫌だ、いや・・・・
こんなことされたくなんかないのに・・・・イキたくなんかないのに・・・・・
身体が言うことをきかないっ・・・・
楽に・・なりたい・・・・
すべて忘れて今この瞬間に翻弄されてしまいたい、身を・・・・
まかせてしまいたい・・・・
いいじゃないか・・もう・・・・・
こんなに俺を愛してくれてる・・・
紅月の気持ちを受け入れて、こいつにすべてを委ねてしまえば・・・楽になれる・・・・
ああ、だけどっ・・・・
紫月はとっさに浮かんだ帝斗の笑顔に涙が止まらなかった。
「いやらしいな紫月は、、、」
突然耳元に飛び込んで来た言葉にはっと我に返る。
気付けば瞳と瞳が重なり合うくらいの位置で紅月の熱い吐息が漏れ出していた。
「ね、紫月、、もうこんなになってるよ?今イッたばかりなのにね、、、?
ほら、ココ、、、勃ってる、、、、ほら、、、、」
「・・・・っ・・・あっ・・・」
「そんなに、、、イイのか、、、?」
「ちっ・・・違う・・・・ぁっ・・・・・」
「して、、欲しい?ねえ、紫月、、、、どうして欲しい、、、?」
・・・・・・・・・・・・・・・・
「ココも、、、もうこんなにぐちゅぐちゅだ、、、ほら、、紫月、、、」
指先に掻き回されて欲望を引き摺り出されて、溢れ出る涙と共に紫月はとうとう抗いきれずに
本能のままを口にした。
「して・・・・紅月・・・・お願い・・・・挿れ・・・て・・・」
「いいよ、、、紫月、、可愛いよ紫月、、、、」
「・・・・・・・・・・・・・っ!」
欲望に塗れていた紫月の秘境の入り口は容易に開かれて瞬時に湧き上がった快楽の感覚に
もう何をも考えることなど不可能であった。
できるのは・・・
只 目の前の快楽に没頭するのみ・・・・・っ!
「ぁっ・・・ああっ・・紅っ・・・・紅っ・・・・・」
自らも腰を浮かせながら耐え切れない欲望に翻弄される紫月の表情を見て紅月はナイフを取り出すと
拘束してあった腕のガムテープを切って自由にした、そしてその瞬間に紫月の上体を引っくり返すと
すぐさま後ろから身体を包み込むように再び挿入したのだった。
「うっ・・ああぁっ・・・・ぁっ・・・」
湧きあがる欲望がとまらないっ・・・
欲しくて、欲しくて・・・・もっともっと掻き乱して欲しくてたまらない・・・・っ
いっそ・・・
何もわからなくなる程狂わせてくれ・・・・
そうしたらこんな苦しみともおさらばできるだろうに・・・っ・・・
「ああぁっ、紅っ・・・・もっと・・っ・・・もっと・・・もっとっ!」
背を仰け反らせて髪を振り乱して紫月は思うが儘に乱れていった。
見たこともない程激しく、波に呑まれて、、、、
「ああっ、好きだよ紫月、、、愛してるよっ、、、紫っ、、月っ!」
「紅っ・・・・・・・!」
涙と汗と体液と、欲望と抵抗と至福。
そのすべてが絡み合ったとき歪んだ運命に翻弄された兄弟の永き隔たりのときに終止符が打たれようと
していた。
この先に待ち受ける新たなる結末に向かって紅月と紫月は溶け出した氷を舐めあうように
身を結び合ったのである。
|
|
 |
|
|