CRIMSON Vol.57 「紅月さまっ！？？」 「ごめん白夜っ・・・・・・今の今までこんなことに気付かなかったなんて・・・・・・・ 本当に僕はバカだよ・・・・・・お前のことが・・・こんなに好きだなんて・・・・・・・気付かなかった・・・・・・・」 「紅月、、、、さ、、、ま、、、、、、そんな、、、、」 「白夜・・・・・・・お前は僕のことが好き？」 「紅月、、、、、」 「どのくらい・・・・・好き・・・・・・・？」 「今も・・・・好き？」 そう言いながら潤んだ瞳が柔らかに微笑んだ瞬間に白夜は自分に縋りついている肩を抱き寄せた。 まるで信じられないというように抱き締めた腕が震えて・・・・・・ 「白夜・・・・・・白夜っ・・・・・・・・キスして・・・・・・・ お願い・・・・・・・僕のこと・・・・嫌いじゃないなら・・・・・キスして・・・・・・・・」 「紅月さま、、、、っ、、、」 見詰め合うと頬が染まる。 熱く熟れるように染まっていくのが分かる。 瞳が開けていられないくらいとろけ出して引き寄せられるように唇を重ね合わせれば、 やわらかなその感覚が全身を痺れさせた。 「あ・・・・・・・びゃく・・・・・や・・・・・・・・好き・・・・・・好き・・・・・・お前が・・・・・・」 ああ、、、、こんなに好きだよ、、、、、、、 お前の唇、僕を包んで奪うその唇が好き、、、、、、 全身がお前を求めてるのがわかる、、、、、、もっと愛して欲しくて、もっと触れて欲しくて、 もっと求めて欲しくて、、、、、 身体中が疼いているのがわかるよ、、、、、 好きなひとに抱かれるってこんなに幸せなんだ、、、、、 こんなに、、、、、 そう、、、、哀しくもないのに涙が出るくらい、、、、、 幸せなんだ、、、、、、っ！ 「あっ・・・・・・はぁっ・・・・・白夜っ・・・・・・白夜・・・・・・っ・・・・・」 熱い舌先が既に尖った胸元の花びらを絡め取る。 首筋を撫でられ、もう片方の花びらをきゅっと摘ままれて、クルリと指で転がされればもう待ちきれない 紅月のものは硬く張り詰めて下着を濡らしてしまっていた。 「白夜・・・・・もう・・・・・待てない・・・・・・お願い・・・・・・・服、脱ぎたい・・・・・・」 「ん、、、、、、」 望むままに白夜の指が衣服を解いて逸ったようにベッド脇へと投げ捨てる、、、、 濃い蜜が下着に滲む程に溢れ出ているその上からきゅっと甘く噛んでやれば電流が貫いたように 紅月の背中がビクリと仰け反った。 「あは・・・・・・・・はっ・・・・・白夜っ・・・・・・・だめ・・・・・・そんなの・・・・・・ 下着の上からなんて・・・・・・嫌だ・・・・・・・ああっ・・・・・・」 濡れた生地を更に唾液でびちゃびちゃに濡らすように根元から先端へと舐め上げられて、 紅月はたまらずにそう懇願した。けれども白夜は一向に下着を取り払ってくれる様子もなくて。 「あ・・・・・意地悪・・・・するな・・・・・・・・ 白夜・・・・・っ・・・・・・・・・・お前って・・・・本当に・・・・・・・・・・」 酷い男だね−−−−−−− きゅっと刹那に瞳を閉じて迫り来る欲望の波を引き寄せるように両の脚に力を入れれば、ようやくと じれったい布地を引き摺り下ろされた感覚に、たまらずに嬌声が漏れだした。 抑え切れない程に絶え間なく、部屋中に木魂して、互いを求め合う興奮した息使いが闇の中に 充満して・・・・・・ 初めて自分の気持ちに気が付いて、初めて素直になれた夜だった。 自分から欲しいと思って、自分から求めた夜だった。 誰かに抱かれて震えるような幸せを噛み締めた、初めての夜だった。 暗い闇の中に寄り添う肌は温かい−−−−−− 軽く紅月の髪に這わせた白夜の指先が時折動いては二人は互いを見詰め合ってくすりと微笑みを 漏らしていた。 「まだ信じられない、あなたが俺を想ってくれているなんて、、、、」 「信じろよ、僕は本当に・・・・・・」 幸せの絶頂にいながら、けれども二人はそこで言葉を詰まらせた。 互いの気持ちをぶつけ合った今、考えることは唯ひとつ、まるで同じことが心の中に引っ掛かりながら 切なそうに見詰め合う。 そう、愛し合ってしまうにはどうしても避けて通れない大事な事柄が二人の間には存在していた。 「隠しておけないな、、、、紫月さんには、、、、、俺から言おう、、、、、」 重たい雰囲気を押し破るように白夜はぽつりとそう言うと、紅月はビクリとしたように大きな胸元に 縋りついた。 「いいっ・・・・・・ 白夜・・・・・それは・・・・いいよ・・・・・・僕が・・・・ちゃんと言うから・・・・・ 紫月には・・・・・僕が・・・・・・」 「でもっ、、、、、、、」 「いいんだっ・・・・・僕に任せて・・・・・・・ 元々は僕がいけないんだから・・・・・・紫月にはちゃんと僕が話したいんだ・・・・・・そのくらいは・・・・ お前に頼らずに自分でけじめをつけさせて・・・・・・」 「紅月、、、、さま、、、、、」 「ちゃんとけじめをつけたら・・・・・お前の為にプレゼントを持って此処に来るよ・・・・・」 「プレゼント？若林さんのフルーツケーキとか？」 そんなふうに訊かれて、紅月は思わずきょとんと瞳を見開いた。真剣に悩んでいたことが一気に 軽くなるような気がして、紫月にも本当の気持ちを伝えられるような気がして。 「あ・・・ははは・・・・・違うよ白夜・・・・ケーキじゃなくてね・・・・・お前にあげたいものがあるんだ。」 「紅月さまが？俺に？なんだろう、、、、検討がつかない、、、、」 「いいんだ、そのときまで楽しみにしてろよ・・・・・」 「ええ、じゃあ訊かないでおきましょう、、、、」 クスリと微笑んで見詰められた感覚に、又どきどきと胸が高鳴り出した感覚に、紅月はぽっと 頬を染めた。 「だからね白夜・・・・・ちゃんと紫月に言って・・・・・今度此処へ来たときは・・・・・・・・」 そのときは−−−−−− 思いっきり僕を抱き締めておくれよ・・・・・・・・・！ 愛しい胸に染まった頬を押し付けて隠すようにしながら顔を埋めた紅月の身体を逞しい腕がぎゅっと 抱き締めた。 幸せに酔う二人をこの先の焦燥を示唆するように甘く不安な闇が押し包んでいた。