不埒なテント小屋-視姦の巻- |
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薄暗くきな臭い簡易小屋の真ん中に小高く配置された四角い空間。
頭上からはケチくさい程の裸電球がたったひとつ吊り下げられている。周りにはざわざわと逸った
ひそひそ声が飛び交い、だが皆が皆 深く被った帽子やサングラスなどで顔を隠し僅かに覗く視線は
ぎらぎらと獲物を狙うハンターのようだった。
今夜も又・・・・
俺はこの場所で身体を開く・・・
望まない欲望を無理矢理にでも引き摺り出して高められて開放する。
夜毎同じことの繰り返し。
サイアクの四角い空間、それが俺の生きていく為の唯ひとつの場所だから。
ああ誰か・・・
俺を救い出してくれ、、、、!
こんなトコロからもう逃れたいんだ。逃げたくて、この四角い空間に立ちたくなくって。
だけど、ここから出たら俺は生きていけない。
きっと、他に生きていく術を知らない、見つけようという気力さえ浮かばない。
だって疲れるんだ。
毎晩毎晩この四角い”舞台”に立たされて自分のすべてをさらけ出させられて疲れて後はもう眠るだけ。
喜びも悲しみも俺は知らない、そんなこと考えてる暇もない。
こんな俺を他人は哀れな奴だと罵倒するけれど、哀れってことがどういうことなのか、それすら
思い浮かばないんだ。
只 促される儘に俺は自分を解放していくだけ。
ほら、今夜もこうして目の前に差し出されたモノを求めなければいけない。
求めて辱められて到達させられて・・・・・
ソレを見てよろこんだ連中がばら撒いていった札びらで、俺たちは生かされているのだから。
薄暗い電球の映し出す生々しいモノ、相方として同じ舞台に立つ紫月のソレに倫周は
くいと舌を這わせた。
乱れた木綿のシャツにヨレたズボンのファスナーを開いて剥き出しになった紫月の男根を
一生懸命に口に含んで倫周はくいと瞳を閉じる。
根元から丁寧に舌を這わせ先端へと舐め上げて。だがどれ程懸命に奉仕しても自分よりも
一回りも歳の違う紫月のそれはそうすぐには反応してくれそうもなかった。
それでも懸命に、只ひたすらに舐め続ける。
狭い小屋の中に観客の吐息で熱を帯び出す頃になってようやくと存在を増してくれた様子に
倫周はほっと安堵の溜息を漏らした。
「マロン(倫周の舞台名)、もういいよ。ほら起き上がってごらん?今度は俺が愛してあげよう。」
そう言われた言葉に一瞬観客たちの間をどよめきが走った。
「おいで・・・」
大きな手のひらで頬をやさしく包まれて、軽くくちつ゛けを交わす。
少しつ゛つ舌を絡めながら何度か互いの顔を交差させ合って、そして深く激しく奪い合う毎に
小屋の中のどよめきは増してくる。次第にざわざわと逸ったような低い声がひしめき合って・・・・
「・・・・ぁっ・・・・!」
紫月は倫周の儀礼的に羽織っていたシャツに手を掛けると びりっとそれを引き裂いた。
「・・・・やぁ・・・・」
くいと繭を顰めながら倫周は身を守るように軽く肩をすぼめてみせると次の瞬間には
ぐいとその肩を捉えられ紫月のヘーゼル色のやわらかい髪が胸元で揺らめいた。
ほんの軽く乳首に唇が触れられただけで瞬時に湧き上がってきた快楽への欲望に倫周は美しい
頬を紅く染めて。
「・・・・っ・・・はっ・・・・・・ぁああっ・・・・・んっ・・・」
背中を仰け反らせて紫月に胸元を突き出すようにしてがくがくと側にあった粗末なソファーに座り込んで
しまい、その後を追うように紫月も又 目の前の細い身体をむさぼるように倫周に覆いかぶさって・・・
しばらくの間紫月はソファーに埋めた倫周の色白の肌を形のいい指先で撫で回しながら執拗な程に
乳首への愛撫を繰り返していった。
はじめ摘むようにくちつ゛けを繰り返していた穏やかな行為が次第に熱を帯びるように激しさを
増してゆく、狭い小屋にひしめく興奮の吐息が荒くなると同様に紫月の愛撫も乱暴になっていった。
べろべろと唾液を絡ませられて濡れて光る美しい桃色の乳首がつん、と尖ってくる様子に小屋の中の
温度が上がってゆく。ぎらぎらとした視線も脂ぎってほんの少しのきっかけがあったならば引火爆発
しそうなくらいに危険な温度になりつつあった。
先程紫月によって引き裂かれたシャツが腰元あたりでうまい具合に絡まっていたが
そこらあたりが僅かに膨らみ出した様子に見物客は益々興奮の一途を辿って行った。
「あ・・・んっ・・・・・・ヘイゼル(紫月の舞台名)・・・んっ・・・」
散々に乳首を嘗め回されて既に蕩けている瞳が次の行為を求めるように寄り掛かる、そんな様子も
見物客の視線を鷲掴みにして・・・・
紫月はそっと倫周の手を取るとそのまま股間へと促していった。
シャツの下で既にぱんぱんに張り詰めている彼自身のモノを握らせて、まだ手のひらを包み込んだまま
一緒に上下してやる。未だ乳首への愛撫を続けながら紫月は倫周に自己解放への道を強いた。
「あ・・・んっ・・・・ぁあっ・・・・ぁっ・・・・」
色白の額にじんわりと汗が滲む頃、見え隠れしながら上下していた指先の動きが加速する。
と同時に腰元を覆っていた白いシャツがぽろりと床に落ちた。
わあっ、、、、、
一瞬のどよめきと共に逸った客たちは立ち上がり、がたんがたんと音を立てながら次々と
椅子のひっくり返る音が小屋のあちこちで聞こえていた。
自制が効かずに与えられた観覧席の座椅子を放り出し四角く小高いその舞台の端にしがみ付きながら
いやらしい視線をぎとぎとと たぎらせて、、、、
そんな客が何人も出ては舞台の周りは既に少しの隙間もない程に黒山の人だかりが
出来上がっていた。
そんな様子に紫月はそっと倫周の首筋にキスをするような振りをしながら低い声で囁いた。
「ほら倫、、、もうちょっとオーバーに声を出すんだ。もうちょっと感じてる振りをして、、、
客にサービスするんだよ。ここから先が俺たちの”稼ぎどころ”だからな。
お前の表情によって奴らが幾ら出すかが決まるんだ。くどいようだけど今月はちょっと苦しいってさ?
帝斗も心配してたからさ、なあ、頼むよ倫。ほら、、、もちょっと官能的な表情をしてくれ。」
ひそひそと早口でそんな言葉を並べられた。
「帝斗が?・・・・・今月、苦しいの?此処・・・・」
「そう、もうちょっと稼げないとマジでやばいんだ、俺ら全員食えなくなっちまう。だから、、、頼むよ。
それにさ、今夜の客は乗りもいいみたいだしよ?ほら、もうあんなになってやがる。今にも舞台に上がって
お前に食いつきてえって表情してやがるぜ?だからさ今夜はいっぱつ派手にやって、そんで一気に
稼いじまおうぜ?」
「う・・・うん・・・・・わかった・・・・・じゃ、やってみる・・・・」
そう言ったと同時に倫周はくいと瞳を顰めるとわざと客の方に顔を向けて耐え切れないといったように
溜息を漏らして見せた。
「あ・・・・ぁっ・・んっ・・・・・・だめぇ・・・も・・お・・・だめえ・・・ヘイ・・ゼル・・・・もう、イキそう・・・」
「・・・ぁっ・・あっ・・・ああっ・・・・お願いー・・・イカせてぇ・・・・」
小さな紅の唇からは熱い吐息を漏れさせて、大きな瞳は蕩けて憂うが如くに客の興奮を煽る。
倫周の舞台名の由来であるマロン色をした長い髪をわざと乱すようにくねくねと首を捻っては
自ら腰を浮かせてみせた。
くちゅくちゅと弄っていた自身のペニスを握り込む指先にも力を込めて、動きまでをも早くする。
そうする内に自然と欲望も高まりを伴って終いには”やらせ”だったはずの演技が演技でなくなって。
倫周は自分の唇から発せられる淫らな言葉と嬌声にどんどん巻き込まれていくのを感じながら
至福への瞬間だけを追っていった。
「っ・・・ぁああっ・・・・・・・んっ・・・」
高く潰れたような嬌声と共にびくんびくんと細い身体をうねらせながら腰元を高く浮かせてほんの
一瞬の間に何度か訪れる最高の自我開放の瞬間を丁寧に確かめるように倫周は到達のときを迎えた。
乳白色の精液が握り込んだ指先を濡らしてゆく、ぬるぬるとした独特の感覚に
びくりと肩を震わせると最後の到達感を味わうが如くに瞳を瞑って・・・・
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