蒼の国-TS Version/Blue Pearl Forever- |
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許されないのは僕の方です。僕はあなたを地獄に陥れた、、、
あなたの薬、、、あの頃あなたが眠れなくて使っていた睡眠薬を、摩り替えたのは僕です、、、
あなたが常用していた睡眠薬を摩り替えて、あなたは僕の手によって覚醒剤に嵌ってしまったんだ、、」
紫月は驚いた。褐色の瞳が瞬きを忘れる程、帝斗を映した瞳が乾いてしまう程、驚いて。
2人はそのまましばらく視線を外すことが出来なかった。
静かに、帝斗の瞳が閉じられて、、、
帝斗はゆっくりとその場を後にしようとした。
「さようなら、、、僕が愛した人、、、」
心の中でそう言った帝斗の腕が強い力でつかまれて、、、!
「紫、、、月さ、ん、、、?」
紫月の褐色の瞳は見開かれたまま。
「何されたって、いい、、!
覚醒剤を盛られても、傷付けられても、たとえ殺されたって、、、
お前にだったら何されたって、俺はいいっ、、!
俺は、お前を、、、愛してる、、帝斗、、、!」
帝斗は瞳を大きく見開いたまま。
まるでそのままときが止まってしまったようなような表情をした。
何を言われているのか理解出来ないといった表情を、した。
「帝斗っ!もう俺の側を離れるなっ、、!俺も、俺も決してお前を放さないっ、、、!」
紫月は力一杯帝斗を抱きしめた。
帝斗の表情は変わらぬまま、大粒の涙だけが零れて、、、
「ひとり寝、、、辛かったんだろ?お前がひとりでそんなことしてたなんて、、、俺は、、、俺は、、、」
紫月はゆっくりと帝斗の手を取るとそのまま帝斗自身に押し付けた。
突然のことに帝斗は驚いてようやく気を取り戻したようになったが。
「見せて、、、お前がしてたこと、、、俺に見せて、、、」
帝斗は驚いて顔が真っ赤に染まった。あまり驚いてすっかり正気に戻ってしまったくらいだ。
何言ってるんだ、、、紫月さんは、、、
「早く、、、して見せてくれ、、、」
とろけるような瞳でそう囁く。
「そんな、、ことっ、、、できないっ、、、恥ずかし、、、くって、、、何を、、、」
「どうして、、?見たいんだ、お前のそんな姿、、、俺にだけは見せて、、、」
そう言って軽くくちつ゛けをした。褐色の瞳はもうとろとろに溶けているように帝斗を見つめる。
帝斗は一瞬考えの整理がまるでつかなかった。それは先程自分が言った衝撃のことも忘れて
しまう位唐突なことだったのだ。
帝斗が懇親の思いを込めて語ったことなどまるで吹き飛んでしまう位、突飛なことを紫月は言った。
「帝斗、、、ねえ、、恥ずかしいんなら手伝ってあげるよ、、ほら、だから、、、見せてお前の、、、
お前の全て、、、」
紫月は帝斗の手を包み込むようにして握り締めるとそのまま軽く揺り動かした。
「やめて、、、っ、、紫月、、、さ、んっ、、、!」
頬を真っ赤にして帝斗は思わず横を向いた。足が縺れて2人ともその場に倒れ込んでしまい、、、
だが紫月はもう耐えられないといった表情で帝斗にくちつ゛けをした。
深く唇を吸い込んで、舌を絡めあって息もできないくらい強い想いを感じる。今までの全ての
想いが関を切ったように2人を高みへと押し上げていって、、、
「帝斗、、帝斗、、愛してる、、、お前だけ、好きだ、、好き、、、あぁ、、、」
狂ったように求められて。帝斗も自分を押し留めている気持ちがぐらぐらと揺るがされて、、、
だめ、、だ紫月さん、、そんなにされたら抑えられなくなる、、、一生懸命耐えてきたのに、、
又あなたに捕まって、逃れられなくなる、あなたを求めるのをやめられなくなる、、、
必死で抑えてきた気持ちが、、今度流されてしまったらもう僕はとまらなくなってしまうよ、、、
あなたが欲しくてどうしようもない、、っ、、、
「紫、、月さ、、ん、、待って、、、待ってください、、、」
必死で紫月の腕から逃れると帝斗は今にも流されそうな気持ちを押さえ込むように身体を
丸めて横を向いた。
荒い息使いは止まってくれなくてそれも何とか必死に押さえ込もうとする。
そんな帝斗を紫月はどうしても開放したくて。今まで帝斗が抱えてきた不安を全て解き放って
やりたくて、先程帝斗に要求したことを続けた。帝斗の手を帝斗自身に押し付けて、、、
一緒に揺り動かしてやる。我を取り返したように帝斗は飛び起きた。
「紫っ、、やだ、、やめてくださいっこんなこと、、、っ、、」
困惑する帝斗に平然とした顔で紫月は続けた。何も言わずに只揺り動かすのを手伝って、、、
「やだ、、嫌、、、酷いよ紫月、、、こんな、、こと、、、」
帝斗の瞳にうっすらと涙が滲んできて、それでも身体は意思とは逆に熱く反応してしまい、、、
「嫌、、、見ない、で、、紫月、、、お願いだから、、見、ないで、、、」
一筋の涙が伝わった。
紫月はその涙を吸い取るように頬にくちつ゛けをするとそのまま耳元に唇を這わせながら囁いた。
「見ないで、、、じゃないだろ?ねえ帝斗、、見て、、だろ?
お前の姿、俺だけには見せてくれるだろう?俺だけには見て、、って言って欲しいんだ。
他の誰でもなく、俺だけには見せて欲しいんだ、お前のどんな姿も。ねえ帝斗、、、
見せて、、、お前のすべて、、、!」
一瞬、帝斗の困惑の瞳が見開かれて、、、
再び閉じられると。帝斗は自分に添えられた紫月の手をゆっくりと退けると自身の掌に力を
込めて強く揺り動かした。
紫月、、もうとめられない、、、折角我慢してきたのに、今まで必死に耐えてきたのに、もう
とまらない、、、あなたへの気持ちが溢れてとめられない、、、
愛して、、、僕だけを、愛して、、、
その褐色の瞳で、、僕だけを見ていて、ずっとずっと僕だけを見つめてて、紫月、、、僕だけを、、
「見て、、っ、、紫月っ、、、」
荒い息使いと共に熱くなった身体には汗が光って、帝斗はがっくりと体重を紫月に預けた。
強く握りこまれた掌が緩むとそこには光る蜜が月光に照らされて甘く流れ落ちた。
「きれい、、、帝斗、、、すごく綺麗だ、、お前のいまの表情、、、
うれしいよ帝斗、、、ありがと、、、う」
ふい、と唇を近付けると紫月はその流れた蜜を吸い込んだ。帝斗の身体がびくり、と動いて、、、
「紫月っ、、!?
や、、やめて、、何を、、そんなこと汚、、、いから、、、、」
慌てて身体を捩ったが紫月は全然やめる様子もなくそのまま愛しいものを口に含んだ。
「紫月っ!?、、、だめだ、、、そんな、、、の、、、」
帝斗の暗褐色の瞳が再び憂いの色を濃く映し出して、甘い流れが身体を伝う。
その流れに逆らうように無意識に帝斗の自制心が働いてぎゅっと身体に力が入る。
そんな帝斗の心をも開放したくて紫月は自身の全てをもって包み込むように愛撫した。
「汚くなんか、ないよ、、お前の全て、みんな綺麗だ、こんなに綺麗。ほら、ここも、ここも、、
ね、、ここも、、、」
「や、、っ、、、」
紫月、、ああ紫月、、何てことするんだ、、、酷いよ、、、、今度こそもう本当に抑えきれない、、
知らないよ、僕が嫌になっても今度こそ絶対に放さないから、、、どんなになっても知らないからね、、
「、、、のせいだ。、、、紫月のせいだからね、、、知らない、、から、、、」
無意識のように呟かれたその掠れた声に紫月はふいと上を見上げて帝斗の顔を見た。
暗褐色の大きな瞳がとろけたように見つめてきて、、、
「紫月、、、あなたが好き、、あなたを愛してる、僕はあなたを愛してる、、、」
紫月の顔を両手ですくいあげると先程とは反対に帝斗の方から熱く舌を絡めた。
熱く、深く絡めて、どんなことをしても不十分だというように激しく絡めて。
そうして紫月の肩に黄金色の髪を押し当てた。
ずるり、と青真珠のような肌に顔を滑らせると胸元にある真珠の核に熱くなった唇を押し当てて
真珠を包む貝殻を押し開くように舐めあげた。中の光る青真珠を取り出そうとでもいうように
丁寧に丁寧に貝殻を押し開くようにくちつ゛けを繰り返されて紫月の意識が揺らぐ。
帝斗はまるで核から真珠を取り出したというようなうっとりとした表情をすると大事そうにそれを
口に押し含んだ。ゆっくりと転がすように、まるで生まれた赤子を産湯につけるように丁寧に
舐めあげて。
「これは、僕のものだ、、、僕だけの、大切な宝もの、、、誰にも、渡さない、、、」
そう言って又自分の青真珠にくちつ゛けを繰り返した。
「帝斗、、、も、、我慢でき、、、な、、、、っっ」
しつこいくらいに責められて紫月の意識は既に花開く寸前までに綻んでいて褐色の瞳は定まって
いなかった。
「ん、、っ、、」
紫月はくるりと起き上がって胸元にあった帝斗の黄金色の髪を下に組み敷くと強くそれに覆い
被さるようにして暗褐色の瞳を見つめた。
「帝斗」
合わさった大きな瞳が閉じられた瞬間に、2人は激しく抱き合った。今までのすべての思いを
ぶつけるように。愛していたのに抱き合えなかった永い時間を埋めるように。欲しくても手に入ら
なかったものを奪い取るように。深く激しく求め合った。
「帝斗、、、ね、帝斗聞いてる?」
「う、、ん、、きいてるよ。」
「お前に聞かせたい曲があるんだ、お前も知ってる曲、、、ジャズだよ。」
「何の曲?ああ、もしかして初めてジョイントしたあの曲?」
「そう、一緒にやらないかあれ。又一緒に。」
「うん、いいよ。素敵な曲だったよね。僕はすごく好きだ、あれ。今でも部屋でこっそり聴いてるよ。」
「ほんと?うれしいな、実はあれな、お前を想って作ったやつなんだ、、、初めてお前とジョイント
するんで。俺あの頃から密かにお前が好きだった、、、恥ずかしくって言わなかったけど、、、さ。」
「紫月、、、」
2人並んで空を仰ぎながら寝そべっていた身体を起こすと帝斗は再び紫月にくちつ゛けをした。
軽く、甘く、そして次第に激しく求めるようにくちつ゛けて、、、
「て、、帝斗、、、ほら、ジョイントするんだろう?だからっ、、、」
帝斗の瞳は甘く漂って紫月を見つめて、黄金色の髪が揺れた。
「あとで。後でするよジョイント、、、でも今は紫月が欲しいんだ、、、もう一度、、、抱いて、、、」
「帝斗、、、」
「言ったろう?どうなっても知らないよって。僕はさっきの一回くらいじゃ満足なんてできないから、、、
もっともっと激しく抱いてくれなきゃ、、、いやだよ、、、、」
帝斗、、、
紫月は状態をひっくり返すと思いっ切り強く帝斗を抱き締めた。
ああ、紫月、、、ずっと待ってた、、、、気の遠くなるような永い時間をずっと。このときのために
僕は生きてきたのかもしれない。あなたの腕に抱き締められるこのときだけが僕が生きた真実だよ、、、
好き、、、好きだよ紫月、、、、あなたを愛してるっ、、、、
そしてFairyのライブの夜から何日か経った頃。
シュミレーションルームの一室から心地よいジャズのメロディが流れていた。それはストリングとピアノの
重なり合う音、甘く緩やかに流れる。楽器を手にする2人はお互いの大きな瞳を見詰め合って。
幸せに漂う大きな瞳が緩やかなメロディに乗って甘く微笑む。
ふと、重低音が重なってきて、心地よい感覚に包まれた、、、
リズムが、ドラムスがリズムを刻む音が重なる、ギターの低い音も心地いい、、、
甘い幸せに漂っていた帝斗と紫月が心地よい音の重なりにはっと我に返ったとき。
2人の周りには明るく微笑むFairyが一緒に音を奏でていた。
その他にビルや京も気持ちよさそうに壁にもたれ掛かって。
誰も何も言わなかったけれど、皆が微笑んでいて。
帝斗は皆を見渡してからもう一度紫月の褐色の瞳を見つめると微笑みながら鍵盤の上に指を走らせた。
〜Fin〜 |
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