CRIMSON Vol.80 |
|
〜Shiduki |
もしも出逢うのがもっと早かったなら僕たちは何の不安も迷いもなく向き合うことが出来たろうか?
普通に恋して普通に喧嘩もして、普通に愛し合うことが出来たのだろうか?
もしもあのひと(紅月)よりも先にあなたに逢っていたならば・・・・・・・
そんなことは無理だよね
だってあなた方は生まれたときから・・・・・いや、生まれる前からずっと一緒だったのだから
僕なんかが逆立ちしたって叶いようが無い、気の遠くなるような時間を2人は一緒に過ごして来たんだ
きっと僕なんかの考えも及ばない程強く、深く、結び合ってきたのだろうから・・・・
別に運命のせいになんかしたいわけじゃない
叶うとか叶わないとか、勝つとか負けるとか、深いとか浅いとか、永いとか短いとか、
そんなことは問題じゃない
権利があるとかないとか、理由がいるとかいらないとか、
何かを引き合いに出さなければならないものではないはずだと僕は思うんだ
あなたを想う気持ちが誰かに遠慮しなければならないものだなんて思わない
だからたとえあなたの心が誰を求めていても関係ない それが僕でないとしてもそれでいい
あなたが僕と同じ気持ちでいて欲しいなんてことは望まない
大事なのは僕があなたを好きだという事実
僕があなたを愛しているという真実が、僕には何より大切で忘れたくないものなんだよ・・・・
ねえ紫月
こんなことをあなたに伝えたらきっと迷惑だろうとか、あなたが困るだろうなんてことは考えてあげない
考えてあげる必要もない
僕は我が侭だろうか?
大人げないだろうか?
でも僕は伝えたいんだ
伝えたい・・・・・・
僕が生まれて、僕が生きた証の為にも
あなたには伝えておきたい・・・・・
僕はあなたを愛しているということを
あなたに逢ってよかったと思うことを
この先の永い道のりの中で、僕の想いが報われなくてもそれも僕の生きた証なのだから構わない
報われることを望んでいるんじゃないんだ
ただ純粋にあなたが好きなだけ・・・・・
誰しもいつかは別れなければならないときが必ず来るのだから
ただこの幾億という気の遠くなるような人々の中であなたに出逢えたことを感謝してる
出逢えただけじゃなくてこんなにも好きになったことにも・・・・・本当にうれしいことだと思ってる
だからこの想いを誰かに伝えておきたいと思うんだ
どうせ誰かに云っておくのなら僕はあなたに聞いておいて欲しかったんだ
他の誰でもない
あなたに
僕が生まれて、僕が生きて、僕が愛したひとがいるっていうことを
こんなにも好きになったひとがいるっていうことを
伝えたい
紫月
僕はあなたを
|
愛してる |
〜Teito |
|
|
|
|