ミッドナイトシアター◇◇◇SHIDUKI |
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港を見下ろす夜のドライブインシアターに普段から密かに憧れている紫月と共に来ていた。
通い慣れたいつもの喫茶室でウェイターとして勤めているこの紫月に倫周はずっと憧れていて、
だからこうして2人きりでデート出来る時間は本当に貴重で、至福のことだった。
何度かデートをしたし、キスだってした。紫月の部屋ではその胸元に寄り掛かりながらTVを見たりゲームをしたり。
一緒にベッドに潜り込んではぴったりと身体を寄り添わせて眠ったことだってあるし、
料理の得意な彼に何度も自慢のレシピを堪能させてもらったりもしている。
数回だけれどセックスだって・・・・・した。
いつのときでも紫月は大人で、やさしく接してくれて。
けれども近頃ではそんなやさしさだけでは我慢が出来ずにいるのも現実で。
ひとつの願いが叶えば次を望むのは人間の本能というものだろうか?特に今夜はまわり中が恋人で溢れかえる
ちょっとした密室のような雰囲気のドライブインシアターなどに来ているわけで、倫周の心は先程から
どきどきと高鳴っていたのだった。
たまには激しく求め合ったりもしてみたい・・・・・
そんな倫周の心中など知り得もしないといった感じで隣りの紫月は運転席の座席を大きく倒しては、あふあふと
時たまあくびを繰り返したりしていた。
「ね・・・・紫月ぃ・・・・・・・」
甘い声でこっそりと彼の肩先に寄り掛かってみる・・・・・
それだけでどきどきと心臓が飛び出しそうになっている。だが紫月はそんな倫周にくすりと微笑みながら
ふいと頬に手を伸ばした。
「なんだお前?顔真っ赤だぜ?具合でも悪いのか?」
両の掌で頬を包み込み、今にも触れそうな程近くで形のいい唇がそんなことを言っていて、、、、
倫周はたまらない気持ちに負けるように紫月の腰元にしがみ付いた。
「あ・・・・・・・・・・・・!」
勢いで頬を寄せ、ふと瞳を開いてみればそこには紫月の身体の中心、つまりズボンのファスナーのあたりに
自分の頬が乗っかっていて、真っ赤だった頬が更に熱く熟れる程になっていくのを感じていた。
「ね、ねえ・・・・紫月ぃ・・・・・・」
「んー?何、、、、?」
頭の上に大きく腕を組みながら空返事を返した紫月の視線は再び巨大スクリーンに向かっているようで。
そんな彼の様子が歯がゆくて、倫周はぐいとズボンのベルトに手を掛けると思い切ったようにそれを
引き抜いた。
えっ、、、、、、!!?
「ばっ、、、、ばか野郎っ、、、何してんだ倫っ、、、!!?」
突然にズボンにかじり付かれて紫月は驚いてひっくり返ったような声を上げた。
寝転んでいた上体を飛び上がったように起き上げて。
「ねえ・・・・いいだろう・・・・・?ちょっとだけ・・・・させて・・・・・・」
「はあっ!!?させて、、、って何をっ、、、!?」
「そんなの・・・・わかってるだろ?そんなこと言わせないでよ・・・・」
好きなんだ・・・・紫月のことが・・・・・・・ずっと・・・・・・ずっと前から・・・・・・・・・・
どこにそんな勇気があったのか、だが一度扉が開かれてしまえば怒涛の如く堰を切ったように
想いは溢れ出すばかりで、もはや倫周には湧き上がる気持ちを抑えることなど出来るわけもなかった。
「紫月・・・・・好き・・・・・・・」
小さな声で、まるで嬌声のような声で溜息混じりにそう言って、既に開かれたファスナーから零れ出した
紫月の男根をぱっくりと口に含んで・・・・・・
「なっ、、、、にすんだバカっ、、、、、、おい倫っ、、、倫ったらっ、、、、、」
だがさすがに本能には逆らえなかったのか紫月の熱いモノは、その意志はどうであれ素直に反応しているようで、
そんなことがうれしく感じられて倫周は更に夢中で愛しいモノにくちづけを繰り返していった。
紫月が反応する毎に欲望も大胆になるようで、ただのくちづけでは我慢が出来ずに、自然と舌先までもが
動いてしまい・・・・・・・
大きく存在を増した紫月自身を奪い取るようにその根元からそびえ立っている先端へと舌を這わせ、舐め上げる。
最初焦っていた彼も倫周の夢中な様子に、やれやれといったかんじで微笑むと、自分の分身にかじりついている
頭をやさしく撫でたりしてくれるのだった。
そんなことがすごくうれしくて、何だか守られているような気持ちになってどんどん夢中になって。
紫月の欲望が本能に抗えずに登りつめる頃には自身の誇らしいシンボルからも又、その先を待ち望むが如くに
濃い蜜液が溢れ出し、下着を濡らしてしまっていた。
「紫月・・・・・紫っ・・・・・・・・・・・・ねえ・・・・どう?気持ちいい?」
「ばっかっ、、、、やろ、、、、こんなことしといて何言ってんだお前、、、、、」
「ねえ・・・・・俺もう我慢出来なくなっちゃった・・・・・・ねえ紫月ぃ・・・・・」
挿・・・・れて・・・・・・・
それは小さな嬌声と共に漏れ出した言葉・・・・・
小さく熱く、抑え切れない想いを込めて飛び出したその言葉に、紫月はぐいと倫周を抱き寄せると
褐色の美しい瞳を少々顰めながら言った。
「この、、、、バカタレが、、、、、しょうがねえなー、、、、、、ココ(車内)狭いんだからお前が上に乗れ!」
「えっ・・・・・いいの!?」
「いいのー、、、、じゃねえよバカッ!こんなんなっちゃっていいも悪ィもねえだろが、、、、、
何とか収めねえーってとさ、、、、?」
そう言われて倫周は細い身体で身軽そうにシートを乗り越えると、くいと紫月の上で馬乗りになるように
しがみ付いた。
「ゆっくり座れよ、、、、まったくお前はよー、、、、、」
「ごめ・・・ん・・・・・・だって・・・・・・・・」
「だってじゃねーよ、、、、、」
紫月は半分呆れながら、だがやはり熱くなってしまった本能には逆らえないようで腹の上に倫周がぴったりと
座り込んだときには熱い吐息を漏らしていた。
「あっ・・・・・・・あ・・・んっ・・・・・・・・イイっ・・・・紫月ぃ・・・・・・・っ」
「、、、、、くっ、、」
しばらくはそうしてゆっくりと紫月の上で自身の身体を上下させていた。
冷たい外気に相反するように熱さを増した車内の、スモークの窓が更に蒸気で曇りきった頃、突然に
ぐいと腰元を引き寄せられてたまらずに声を上げた。
「あっ・・・・・・んっ・・・紫月っ・・・・・・」
「、、、、、、、っ、、、」
今まで自分だけが上下し、揺り動かしていた腰元が下から突き上げられるように強く激しく揺れを増し、
そうされて瞬時に膨れ上がった欲望はほんの僅かで絶頂を迎えてしまった。
だって紫月の方から激しく突き上げて、それって紫月も反応じてくれているというわけで、
自分を欲しいと思ってくれている証拠で、、、、
そんなことを思ったらどうにも我慢が出来なくなってしまったのである。
乳白色の蜜が勢いよく飛び散って・・・・・
「ごめん・・・・紫月・・・・・どうしよう・・・・・・」
ふとルームライトで照らして見れば、紫月の肌触りのよさそうなカシミアのセーターの上に解放された
欲望の痕がところどころに飛び散っていて・・・・・
「あ〜あ、、、、こんなンなっちまって、、、、、どうするよコレ、、、、」
腹のあたりを一生懸命ハンカチとティッシュで拭いながら、呆れ顔で紫月はセーターをつまんでは
溜息を漏らした。
「これ高いんだろ・・・・・?俺、どうしたら・・・・・・本当にごめん・・・・・」
「ばかやろ、、、、お前が急に欲情するからだぜ?あー、、、、、マジでやべー、、、、
こんなのみっともなくてクリーニングにも出せねーよ、、、、」
「あ・・・・・・
ホントに・・・・・・ごめん・・・・・・どうしたら・・・・・」
今にも泣き出しそうな顔でそう言った倫周に、紫月は深く溜息をつくと、次の瞬間にはくすりとやわらかく
微笑んだ。
「ふん、、、、じゃ仕方ねえー、、、、お前にセキニン取ってもらうぜ?」
「え・・・・・・?買うのコレ?俺が・・・・・・?
ああー・・・・どうしよ・・・・・・紫月の服って高いんだろ・・・・・?俺、お金足りないかも・・・・・
分割でもいいかな・・・・・・・」
心配そうに、そして真剣にそんなことを言っている倫周を半分呆れ顔で横目にしながら紫月は
ふいと微笑むと、俯いている頭をポンと軽く撫でながら
「いいぜブンカツで。」
「ホントっ!?」
「ああ、、、、けど結構たいへんかもよ?」
「え・・・・・?」
「セーターの代金、お前自身で払ってもらうから。」
「へ・・・・・?」
くすくすと微笑みながらそんなことを言った紫月の言葉の意味を理解した瞬間に恥ずかしさで
頬が真っ赤に染まった。
ちょっとしたそんな心使いが温かくて、大きくて、そんな紫月のやさしさに今まで以上にどきどきと胸は
高鳴り出して、焦がれているようで・・・・・・
幸せ過ぎる自分に倫周はもじもじとしながらも再び目の前の大きな胸元に顔を埋めると、ぎゅうっと
その肩先にしがみ付いた。
紫月・・・・・大好き・・・・・・・・
ロマンティックな夜のドライブインシアターで、
2人きりの秘密の車内で幸せに浸りながら倫周の心は次のデートへの期待と欲望で溢れかえっていた。
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