MUSCAT |
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「お帰り、倫・・・・・・・・・・」
いつも通りに帝斗に風呂に入れられて、丁寧に身体中を磨き上げられた倫周は今宵も指示された儘に
紫月の待つ豪華な部屋を訪れた。
それは南国の香りが溢れる密室。
広いリビングには籐製の見事な家具が配置され、所々に置かれたベンジャミンが怪しげな匂を解き放つ、
通い慣れた地下室の4番目の部屋。
この部屋を使うとき、それは濃密な交わりが示唆されているときで、だから今宵もきっと紫月と帝斗は
そういう気分の夜なのだろうと思いながら倫周はふらふらと部屋を訪れた。
逆らうことは許されない。
確かに紫月も帝斗も自分を可愛がってくれる、やさしく愛して極上の快楽を与えてくれる。
けれどもそんなふうにして与えられるものを年がら年中欲していられるわけじゃない、疲れているときだってある、
そんなことをしないで眠り込んでしまいたいときだって。
だがそんな自身の都合など受け入れられる筈もなく、2人が望むときに自分は嫌がおうでも身体を
開かなければならない、そんな理不尽な運命に自然と慣らされて来たのはこの頃。
熱く自分を抱き締めた紫月のきついくらいの抱擁に無心のまま身体を預けながらそっと倫周は瞳を閉じた。
「ほら、これ飲んで」
ざらざらと音をたてて錠剤を掌に取り出しながら紫月は言った。
「何・・・紫月、それ・・・・?」
「うん?・・・・いいもの・・・これはね、とっておきのお薬だよ?」
「く・・すり・・・・?」
大きな瞳を強張らせるようにして少し後ずさりした倫周にくすりと微笑むと優しげに紫月は言った。
「何て顔してるんだ?別に変なモンなんかじゃないから安心おし。俺も一緒に飲むんだから。
帝斗だって一緒だよ、今夜は3人でコレ飲んでゆっくりくつろごうと思ってさ?」
まるで当たり前のようにそう言われた、妖しげな錠剤を差し出されて倫周は少々蒼白となった。
「ね・・・何のくすり?それ・・・・」
恐る恐るそんなふうに訊いた、発された声は僅かに震えていて・・・・
差し出した錠剤を受け取ろうとしない倫周の微かに震える身体をふいと抱き締めると紫月は少し切なそうに囁いた。
「お願い、倫・・・一緒に飲んでおくれよ・・今日はコレないとだめなんだよ・・・・
決して悪いモノなんかじゃないから。絶対にお前に危害を加えるつもりなんてないから安心して。
大丈夫、いつもだって俺と帝斗は使ってるものなんだから」
「使ってるって・・・・」
まだ不安そうな倫周の戸惑いの瞳をいつになく真剣な表情で見つめる、そんな紫月の切なそうな感じが
痛いくらいに伝わってきて・・・
「で、でも・・・・・・・・・・・・・」
ためらう言葉が小さく漏れたとき、ぱたりと部屋の扉が開く音がして帝斗が入って来た。
「やあ、お待たせ。あれ、、、?どうしたんですか紫月さん?」
倫周の手をとったまま、立ち尽くしているそんな姿に帝斗が近寄って。
「ああ、やっぱり心配なんだ?」
そう言うと紫月が手にしていた錠剤のビンをふいと取り上げて数粒を取り出すと水もなしにくいっと
それを飲み込んだ。
「帝斗・・・・・・・・・・・・」
驚きと不安でいっぱいに揺れている大きな瞳を見つめながら帝斗はやさしく瞳を細めると穏やかな声で
倫周に言葉を掛けた。
「ね、倫・・・大丈夫だから言うことをきいておくれ?これはね快楽を引き出す為の薬なんだよ。
副作用とかはないから安心して。僕らはいつも飲んでる、変なものなんかじゃないから」
帝斗はもう一度小瓶から錠剤を少し取り出すと一旦自分の口に含んでからぐいと倫周にくちつ゛けた。
・・・・・・・・・・・・・・!!!
「・・・っ・・・・う、うんっ・・・・」
僅かな呻き声と共に喉元をぎゅっと押さえ付けられて望まない錠剤を無理矢理に押し込まれた。
いつもは穏やかな帝斗の強引な行動に驚愕の思いでいっぱいに揺れて・・・・
「ごめんよ倫、でもね今日はコレないとだめなんだ。こっちへおいで。何でこんなことするかちゃんと説明しよう」
帝斗に手を取られて広いアジアンスタイルのベッドに座らされた。
帝斗と紫月は倫周を真ん中に挟んで腰を掛けると両脇から優しげに手を取りながらしばらくはそのまま
じっとしていた。
いつもならすぐさま押し倒されたり拘束されたりするはずなのに、今宵の2人はそんな素振りもないままに
ただただじっと自分を挟んで腰を下ろしている。
やさしく髪を撫でられながら、大切そうに手をさすられながら倫周はしばし戸惑いの中にいた。
穏やかに紫月が口を開いて。
「倫、お前をどこにもやらないよ、、、
実はね、お前を欲しいって言われたんだ。お前も知ってるだろう?いつものレギュラー番組の
お偉いさんがね、お前と2人で会える機会を作って欲しいって言って来たんだ。
とんでもない話だぜ、勿論そんなものはすぐに断ったけどね。お前にも一応事情は話しておこうと
思ってさ。あの偉いさんはな、業界じゃちょっと有名なんだよ。何でも気に入った若手アーティストを
呼びつけちゃあ自分トコの若いもんに寄ってたかって輪姦させてそれ見て楽しんでるんだよ」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「マワし・・・て・・・・・?」
黙って紫月の話を聞いていた倫周は一瞬びくりと肩を竦めた。
不安そうな倫周の細い肩をやさしく撫でながら紫月は続けた。
「集めてるのは皆お前みたいな綺麗な奴ばっかり、その子たちが嫌がって泣き叫ぶの見るのが
趣味なんだと!ふ、、っん、、、ばかばかしいっ!他のプロダクションの代表連中は皆、気が弱いんだな。
あのエロおやじに声掛けられたら逆らえないんだ。だから泣く泣く自分んトコの宝物を差し出しちまって、、
でも安心していい、俺たちは絶対にそんなことしやしねえ、、、何が何でもお前を守ってやるぜ」
「そう、だからねボディーガード付けることにしたんだよ。明日から腕のいい頼れる男がお前たちの
ガードとしてマネージャーのビルと一緒にずっと一緒に行動することにしたから。
特にお前のことは事情を話して重点的にマークするように言っといたから。でも何かの隙を付かれることも
あるかも知れないからお前も気を付けるんだよ?」
きっぱりとした口調で帝斗もそう言うと、やはり大きな瞳を不安そうに揺らしている倫周を見つめて微笑んだ。
「帝斗・・紫月・・・・あの、俺・・・・」
「いいんだよ、何も心配する必要はない。だけど気を付けるに越したことはないんだからさ?」
やさしくそう言うと紫月はぎゅっと倫周の肩を抱き寄せた。
あ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・っ・・・・・
「紫・・紫月・・・・・」
抱き寄せられた肩が妙に熱く感じられる、まだ何もされていないうちからぞわぞわとした快楽の感覚が
次第に身体中を包み込み・・・
くったりとうな垂れかかるように倫周は紫月に身体を預けた。
くいと顔を紫月の方に突き出しながら瞳は虚ろに半開きのまま、押し寄せる波にさらわれるように切なげで・・・・
「どした・・?倫・・・・」
きゅっ、っと顎をつかまれた、自分を覗き込む褐色の瞳を奪い取るかのように倫周は抱き付いて。
「紫月っ・・・・紫っ・・・・」
熱い・・・身体が・・・熱くて・・・・・おなかのあたりが何だかきゅんと掬われるようで・・・・・
あ・・ああ・・・怖い・・・なんかすごく怖いよ・・・・・どうしよう、こんな感じ・・初めてだ・・・・・・・
ずっと肩に寄り掛かりながら瞳も唇も半開きのまま、意識が遠くなりそうな美しく細い身体をぐいと支えなおすと、
紫月はその開かれている唇に自分の指先を滑り込ませた。
潤んでいる舌先に絡めるように細く長い指を動かして・・・・
「ほら、、、倫、、」
くりくりと指先を動かす、その感覚に耐え切れないといったように倫周は指先にしゃぶりついた。
差し込まれたり、引き抜かれたりする指先の感覚を追うように夢中で舌を絡めていって・・・
「・・あ・・・っん・・・んっ・・・・」
根本から爪の先へと舐め上げる、締まりのないままに開かれた唇からは銀色に光る蜜がこぼれ出して、
つうーっと首筋を伝わった。
「倫、ほら僕のも舐めて?紫月さんばっかりじゃ僕いやだよ・・・」
くい、と頬を温かい掌でつかまれて品のいい長い指先を押し込まれた、その途端に倫周はがくん、っと
腰掛けていた帝斗の腰元にしがみ付くと自らの意思で帝斗のベルトに手を掛けてがちゃがちゃとそれを振り解いた。
なり振り構わず、といった感じで帝斗のズボンを開き切るとそこに眠っていた熱いものにむしゃぶりつくように
口に含んで・・・・
「あ・・あ・・・・っ・・・帝斗・・・帝・・・・・・っ・・・」
夢中で舌を絡ませる、普段は辛いくらいに感じる大きく熱いものにすっぽりと包み込む勢いでしゃぶりついた。
その様はまるで腹を空かせた獣のようで。
倫周はぐいっと、帝斗を押し倒すとすぐさまシャツのボタンに手を掛けてそれを開こうとしたが、
少々洒落た作りのそれは外すことも手間が掛かるようで、苛々としたように弄っていたが、
余程思うようにならなかったのか、癪に障ったかのように高級そうなそれをびっと引き裂いた。
「倫っ・・・!?」
まるで動物のように帝斗の腹の上に四つんばいに這い上がって・・・・
「・・・・あっ・・・・・・・あっ・・・・」
荒い吐息と共に言葉にならない嬌声が漏れ出す、首筋から胸元、乳首、そのままずっと舌を這わせながら
へそ、腹と気が違ったように舐め上げて・・・・
「利いてきたな、、、」
少々切なげな表情を浮かばせながら静かに紫月はそう呟いた。
「ええ」
こっくりと帝斗も頷く、自分の腹の上で激しく髪を振り乱している美しい顔を押さえ付けると帝斗は先程
倫周によって引き裂かれたシャツで口を塞ぎ、まるで猿轡を掛けるかのように縛り上げた。
同じようにして紫月も又羽織っていた絹のシャツを脱ぐと倫周の腕を取り上げて後ろ手に纏め上げ、
脱いだシャツで縛り上げた。
「ふっ・・・うう・・んっ・・・うう〜っ・・・んーっ・・・・」
きゅううん、と子犬が鳴くような声をあげて倫周はベッドに倒れ込んだ。
その細い身体を引き上げていつものように胸元の桃色の乳首に舌を這わせる、べろべろと唾液を
塗り付けるように舐めあげて・・・・
「うう〜っ・・・・んんっ・・んっー・・・・」
声を塞がれたまま、ばたばたともがきながら激しく激しく首を振る、既に熱く天をめがけて逸ったものを
ぎゅ、っと握られて。
「んーっ・・・・」
高級そうな帝斗のシャツに奪われた自らの声を取り戻すかのように倫周は激しく身を捩った。
ベッドの上に膝をついた状態で後ろから帝斗に支えられながら覗き込むように乳首を舐め回されて
がくがくと震える膝が崩れそうになったとき、バランスを取る為に開いていた太股の間からするりと、
紫月に顔を滑り込まされて冷ややかに重力の掛かっているそれを温かい掌で転がされた。
・・・・・・・・・・!!!
「んっーーっ・・・・!!んーっ・・・」
ぶんぶんと振られた頭も激しさを増す、ぎしぎしとベッドの軋む音も壊れそうな程激しくなって。
紫月は若干の重みのあるそれを掌の上でまるで大切そうにやわらかく転がしながら、天を仰いでいる
もうひとつの逸った存在の根元に舌を這わせた。
つい、と舌先を尖らせるようにしながら数箇所をつついて・・・・
らせんを描くようにしながら登って行った先にはねっとりと密度の濃い液がたっぷりと溢れ出していた。
熟れ過ぎてぱんぱんに張り詰めている蜜の周りをじらすように尖った舌でつついて、そうするうちに
益々濃度の濃い液は溢れ出し、終いにはとろりと根元にまで流れ落ちていった。
「んっ・・んっ・・・・っんんっー・・・・・!!!」
ばたばたともがき暴れる、だがその表情は例えようもない程淫らで恍惚としていた。
至福に翻弄され続けた淫らな瞳が一瞬歪む、厳しく繭を顰めるようにすると突然に倫周は騒ぎ始めた。
「んーっ・・・・あ゛ーーーっ・・・・・」
大きな瞳をか、っと見開いて辛そうに訴えてくる必死の表情に、帝斗と紫月が気が付いて、
その顔を見上げた瞬間に生温かい透明な液体が放射された。
ひたひたと音と共に白いシーツの上からはほんのりと湯気が立ち込めているようで。
その様子に一瞬時がとまったかのように3人は微動だに出来ずにそのままの格好で固まってしまった。
美しい大きな瞳がくしゃくしゃに歪んだと同時に真珠のような涙がぼろぼろとこぼれ出して、倫周は
身体を丸めると全てのものから逃げるかのように泣き崩れてしまった。
ショックを抑えきれずにがくがくと震えながら泣きじゃくる、帝斗と紫月は一緒に腕と唇を開放してやると、
両側から倫周を挟み込むように抱き締めた。
びくり、と肩が竦められて。
「大丈夫、薬のせいだよ。お前は悪くない、何にも恥ずかしいことなんてないんだよ?」
やさしくそう囁かれた、そんな言葉に益々涙は止まらなくなって。
倫周は初めて体験させられる快楽を引き出す作用を持った薬を飲まされた上で与えられた
極上の快感に身体が付いて行けずに不本意にも放尿してしまったのだった。
がくがくと身体中を震わせながら初めて体験する衝撃に耐え切れずに泣き崩れて・・・
「いいんだ、何も心配するな。お前は全然おかしくなんかないんだよ?むしろそれが普通さ」
暖かく注がれた言葉の、その言わんとしている意味は理解出来た。だが倫周にとってはこの歳になって
人前でそんな粗相をしてしまったという恥辱感だけが膨大な力で自分を支配しているようで
何を言われてもすぐには立ち直れるはずもなかったのである。
そんな様子に帝斗と紫月は優しげに微笑んで。
「わかった、じゃあ皆でおんなじ思いしよう。そうしたらお前も恥ずかしくないだろう?」
紫月はそう言うと帝斗に向かってこっくりと目配せをして見せた。帝斗も同時に頷いて。
「倫、ほらこっち向きなさい」
そう言って倫周の身体をベッドに横たわらせながら口元だけを塞ぐように手をかざすと穏やかに笑みを
讃えて帝斗は倫周を見下ろした。
腹の上には紫月が膝をつくような格好で馬乗りになっている。
いきなり2人係りで組み敷かれて倫周は一瞬恥ずかしい感情を忘れるときょとんとしたように大きな瞳を見開いた。
「瞳(目)閉じなさい」
そう言ったと同時に温かいシャワーのような感覚が全身を包み込んだ。
口元を押さえられたまま顔と下腹の辺りにその感覚が包み込み。
ぬるま湯を浴びせられたような不思議な感覚が自分を組み敷いている2人の放った聖水だと気付いたのは
それから間もなくしてのことだった。
既に驚きを通り越して硬直したまましばらくは動くことさえ忘れてしまい。
「ね?これで皆おんなじだ」
にっこりと微笑んだ帝斗に紫月も又微笑み返して。
「そう、皆一緒。一緒に恥ずかしくって一緒に気持ちいいだろう?」
頬を伝って耳脇の長い茶色の髪がしっとりと濡れた感覚に倫周はまともに自分の身体を直視することさえも
出来なかった。
大きな瞳はきょとんと見開いたまま・・・・
「倫、も一回お風呂行こうか?今度は3人でさ?」
そう言う帝斗に紫月も満足げに微笑んで。
「ああ行こう行こうっ!じゃあ今回は俺が綺麗に洗ってあげる!倫も、、、それに帝斗もさ?」
「ええーっ?いいですよ僕は・・・それに倫を綺麗にしてあげるのは僕の役目ですしぃー・・・・
あっ、紫月さんも僕がじっくり磨いてあげますよぉ〜?」
にこにこと楽しそうにそんな会話をしながら2人に抱きかかえられて倫周は大きな南国ムードたっぷりの
浴槽へと沈められた。
ぶくぶくとジャグジーまでもが噴出していて。
「倫、お風呂出たらも一回しような?今度は俺がお前にサービスしてやる!さっきのお返しだぜ?」
くすくすと笑いながら紫月はそう言うとたっぷりの湯の中でゆらゆらと浮遊している倫周の熱いものを
きゅっと摘んで見せた。
「やぁっ・・・・」
恥ずかしそうに顔を真っ赤にしながら倫周は下を向いたままぶくぶくとジャグジーの中へ埋まっていってしまった。
そんな様子に2人は又も微笑んで。
「倫、お前を誰にも渡さないよ。だってお前は俺たち2人のモノだから・・・・」
甘やかに、穏やかにそう発せられた言葉の向こう側に気が狂う程の快楽への誘いを垣間見て
温かい湯の中で倫周はほんの一瞬寒気のような感覚に包まれた。
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