一夜の章 其の六 |
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一夜は未だ意識の戻らないままの朱華の身体を包み込むように覆い被さると、後ろ側から自身の逸った
男根を突き立てた。まるで無理矢理捻り込むように突き立てて・・・・・・
「あっ、、、、、はぁっ、、、、、朱華、、、、、、朱華っ、、、、、
どうだほら、、、?気持ちいいだろう、、、、?
それとも辛いか?
こんなふうに犯されて、、、、無理矢理捻じ込まれてっ、、、、もっともっと乱暴なことをされてっ、、、、、
本当に死んでしまえばいいっ、、、、
お前など、、、、お前など本当にっ、、、、、、
消えて無くなってしまえばいいのにっ、、、、、、、、
そして、、、、、、、
この俺も、、、、、、、」
お前と一緒に消えてしまえたら、、、、、、
どんなにか楽だろう−−−−−
激しく腰を振り、乱暴に意識のない身体を犯しながら、凍えた2つの身体が暗灰の中に軋み合っていた。
降り積もる雪に埋もれたいとでもいうように、けれどもその雪の冷たさを熱情で溶かしてしまいたいとも
いうように激しく揺れる身体からはじわじわと滲み出た汗がほとばしるように流れては、
真っ白な雪の上に滲んで消えた。
滾るような激情を振り撒いて激しく傷つけ合った後、慈愛の光が再び西の空に溶け込む時分になって
朱華はようやくと意識を取り戻した。
そこには心配そうに自分を見下ろす一夜の翡翠玉の瞳があって朱華は目覚めるなりふいと頬を染めた。
「一夜・・・・さま・・・・・・・」
かれた喉が記憶に痛い。
けれども朱華はそんなことを微塵も覚えてなどいないといったように迷いなく手を伸ばすと、
自分を見下ろしていた一夜に縋りついた。
「朱華、、、、、、」
「一夜っ・・・・・・一夜さま・・・・・・一夜さまぁ・・・・・」
「朱華っ、、、、、、もう、、、、心配ないから、、、、、
少し凍傷になりかけているが、、、、、、
痕に残るようなことはないそうだ、、、、、
身体もだいぶ温まってきたし、、、、もう何も心配することは、、、、、」
そう言い掛けて一夜は切なそうに瞳をしかめた。
自分を見詰めてくる朱華の大きな瞳が美しく透けて不思議そうに揺れている。
まるで何を言われているのだろうとさえいうような表情で揺れている・・・・・
純粋で無垢な大きな瞳。
真っ直ぐに自分を捉えて放さない−−−−−
たまらずに一夜は唇を噛み締めると、ぼんやりとしている朱華の身体に覆い被さった。
覆い被さり頬を撫で、瞳と瞳を重ね合い、唇をも重ね合わせればふっくらとした朱華の唇からはすぐにも
変わらずに熱い吐息が漏れ出した。
「一夜・・・・・・・ああぁ・・・一夜さ・・・ま・・・・・っ」
そんな様子が愛しくてどうしようもない感情に駆られた。
あんなことをしたのに、、、、、
昨夜あの凍えるような雪の中に放り出し、拘束し放置して、、、、、
それだけでは飽き足らずこの美しい身体を叩きつけ、殴り飛ばして全身傷だらけにしたというのに、、、、、
更に意識を失った朱華を辱めるように乱暴に犯しつくした、、、、
それなのに、、、、、
それなのにお前は変わらずに俺を見つめてくるっ、、、、、
「どうして、、、、っ」
一夜は朱華に覆い被さりながら嗚咽した。
苦しそうに、今にも泣き出しそうになりながら瞳をしかめて唇を噛み締めて。
すべての思いを吐き出すように嗚咽した。
「一夜さま・・・・・・?どうかなされたの・・・・・?
何か辛いことでもあったの・・・・・・?」
だが未だもって純朴な瞳で心配そうにそんなことを訊いてくる朱華の大きな瞳にハッと我に返ると、
僅かに笑みを見せながら一夜は言った。
「何でもない、、、、お前が心配することは何もないんだ、、、、、」
そう−−−−−
「お前は何も心配などせずともよい、、、、、
心配などせずに、、、、、ずっと此処にいればよいのだ、、、、
ずっと、、、、、」
俺だけの側にいれば−−−−−
僅かに葺色の空が暮れ落ちてあたりを暗灰の世界が包む頃、再び降り出した雪を襖越しに映しながら
一夜は朱華にくちづけていた。
軽く軽く、まるで触れれば壊れてしまうとでもいうように大切そうにくちつ゛けて。
昨夜怒涛の如く激情をぶつけ合った庭先には、朱華を括り付けていた椿の紅がぽとりと一輪
淡雪の上に落ちて震えた。と同時に一夜によって施された甘い刺激に朱華の細い身体もビクリと震えて・・・・・・
「あ・・・・・一夜・・・・・・・・・」
「ん、、、、、、?」
紅の花を押し包むが如く舞い落ちる淡い雪のように一夜の心もまた、儚げに揺れて止まなかった。
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